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シゲの手の動きをぼんやりみつめながら俺は思いを馳せていた。 俺らがふたりきりだった頃シゲはどうやっていろんなもんを発散してたんだろう? 『目指すべき明日』さえどっちなのか見えなくて今考えればストレスMAX状態だった はずの日々、けど思い出すのはバカやって笑い転げてたり、うだうだ言いながら一緒に 原宿の街をあてもなくぶらついてる俺らとかばっかり。 あの頃シゲも俺も無鉄砲でまだ青くてぶつかる時はとことんで…ああ、でも。 けどやっぱりああやって発散してたんだろうな。なんにしろふたりきり……村も真っ青 な『自給自足生活』だったんだから。 松岡が入り太一が入ってそのうちにいつの間にか役割分担みたいなモンが生まれて…5 人目だったあいつは出来上がりつつあった人間関係に飛び込んでこなくちゃならなかっ た。 根っこからまっすぐであの頃から原石の輝きを放ってたのに、遠慮しぃで気ばっか遣っ て俺らのセンターに立つのにも躊躇する、そんな今と真逆な姿が脳裏に甦る。 …だからこそ『愛すべき末っ子』ってポジションを割り振ったんだけどさ。 けどここまで『ヒーリング関係』になるとは思わなかった。 これははっきり言って誤算だったな…仕向けた以上仕方ないけど。 なぁ長瀬。 あくまでシゲの隣は俺の場所なんだからな。 間違えんなよ、そこんとこ。 → ← 書庫 top |