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             15 試されるとき





俺の特技を尋ねる太一さんの問いかけに口を開く。

「特技は…強いて言うなら料理です」

元々料理好きで毎日の自炊も苦にならない、それプラスこの企画で前々回関西の料亭に修行に行ってそこの
おやっさんにみっちり仕込まれた…それががこんな風に役立つとは思わなかったけど。

「へぇ…じゃあ節約料理とかは?」

うち大所帯な上に鯨飲馬食を地でいく奴が多くてさ…ちらり向けた視線の先には山口さん。たしかに健啖家っぽい。

「得意ですよ、なんなら冷蔵庫のあり合わせでボリューム飯でも作ります?」

視線を隅にある冷蔵庫に向ける。こうして俺の最後の戦いが始まった。





「…OK、合格」


俺の腕が試されることになって約40分後。(基本調味料すらなくて正門前のコンビニに走った時間も含めて、だけど)
太一さんから出た『合格』に俺は内心小躍りしたいくらいだったけど表面的には右拳で小さくガッツポーズするに留めた。

太一さんの向かいで城島先生と山口さんも俺の作った『レタスとカニ缶のあんかけチャーハン』を掻き込んでる。

「美味いねぇ」
「うん、この『あん』めっちゃおいしい。太一が即決すんのもわかるわ」
「考えたら珍しいよね、こんなにすんなりあいつのハードルを超えるのって」
「そやなぁ」

耳に入ってきた会話がなによりの賛辞。『試される』ってこと自体はあんまり気分のいいもんじゃなかったけどこの人たちに
喜んでもらえるんならそれもありかな、なんて思う。 そのくらい俺はこの人たちを気に入りかけていた。

「…ほんま美味い、トモヤもきっと喜ぶで」
「あいつが犬型んときにしょっぱいもんやっちゃダメだからね」
「わかってるって」


ん?イヌ?
犬…………………イヌガタ?


トモヤ?

何かが俺の記憶をくすぐった。

                        16 『飼い主』−『白衣』−『めがね』=??→


***

ここまできてやっと気づきました、松岡さん。(苦笑)

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