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             14 ラスボスは?





「特技、ですか?」

城島先生の心配そうな目の色になぜだか顔に血が昇る。どぎまぎしながらオウム返し。

「ええあの…これから会ってもらう太一なんですけどこれがまた合理化の『権化』みたいな奴で」
「あいつの判断基準はすべてにおいて『使える』か『使えない』か。それも『本業以外において』
…ってのがその物差しなんですよ」
「『本業は文字通り本職なんだからできて当たり前』なんやそうです、あいつの理屈では」
「だからそれ以外に何か『使える』もんがあるならそれを見せろ、と」
「ええ子なんですけどねぇ、それ以外は」

「…はぁ」

なんてコンビネーションだ、まるでひとりの人間がしゃべってるみてぇ…過不足ない説明。


「だって人ひとり増えるたびになにかと雑費かさんでくじゃん…掃いて捨てるほど来んだからさぁリー
ダーの肩書き目当ての奴ら。そうでもしなきゃ断り切れずに予算オーバー、今頃すっからかん
で俺ら全員路頭に迷ってるって…なんせトップから頼りないんだから」

だいたい『ええ子』って表現もどうかと思うけど?三十路の俺捕まえて。

よく響く低い声に振り返るとそんな低い声を出す感じに見えない、むしろ男性にしたら小柄で華奢で…でも、
とびきり瞳に力がある人が俺の後ろのパーテーションに寄りかかって立ってた。わざとしかめ面してる。


「だからこそ俺や太一のチェックがあるんだろ」

ちゃんとこっち来いよ、山口さんにそう声を掛けられてその人はずかずか歩み寄ると俺を見下ろしてきた。

「俺の出番だってことはリーダーと山口くんのチェックはもうパスしちゃってるって事だよね?」

無言で頷く山口さん。

懐から名刺を差し出す。

「はじめまして、夕凪新聞の松岡と申します」
「…国分太一」

ポンと無造作に投げ出すように告げられた名前。

「で?」

単刀直入に『太一』さんが本題に入った。

                        15 試されるとき→


***

太さん、やっと登場。

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