--研究室へようこそ--11 先輩後輩の力学 東山紀之先生、北山大学文学部文化財学科教授。 専門は東アジアの文化考証。日中や日韓の国家を跨ぐ共同発掘隊の責任者としての外交 手腕も鮮やか。論理力と行動力を兼ね備える人呼んで『ミスターパーフェクト』。 そんなプロフィールが頭をよぎった。 東山先生あんな真剣な顔したままこんなこと書いてたのか…。 「よりによって丸なげ」 「…いくらなんでもヒドくない?」 「いやあの人にとったらこの位いつものお茶目の範疇やろ……もしかして、こないだの 飲み会にふたりとも間に合わへんかったんへの報復、とかやったらあり得るかも知れ んけど」 「……だってあれは不可抗力じゃん、東さんがメールの本文全部『万葉仮名』で書いて きたりするからさぁ。 結局解読すんのに2時間もかかって。まあ辿り着いたらほぼおひらき近くだったのはた しかだけど」 「今ここでぶつくさ言うてもしゃあない、また今度文句言うとくわ……けどなぁ、東さ んからの紹介かぁ」 じっと考えてた城島先生はちらり山口さんと見交わすと腕組みを解いてまっすぐ俺をみ つめた。山口さんはまだちょっと難しい顔をしてたけど、その対象はどうやら俺じゃな く東山先生みたいだ。 「わかりました。紀兄ぃ、やなくて東山先生……ええ、大先輩なんですけどちっちゃい 頃近所に住んでて懇意やったもんでつい……の紹介となったら理由なく門前払いって訳 にもいきませんし引き受ける方向で検討させてもらいます」 東山先生と城島先生が幼なじみ?……そうか、ならさっきの呼び方にも合点がいく。東 山先生と城島先生の間には先輩後輩を超えた絆が存在……新たに知った情報を忘れない よう頭の中刻み込んだ。 「けど、僕や山口だけでは決められへんのですよ、もうひとり予算を握ってる奴とも対 決してもらわんと。 ある意味一番強敵なんですが……それでも頑張ります?」 それにしても東山先生に感謝の意を表すために次回美味いブランデーでも持ってこう、 そんなことを考えてた俺は反応が一瞬遅れた。 ぇ、まだここからさらに一山? 12 like a RPG→ *** 次の山はやっとあの人。 ブラウザを閉じてお戻り下さい。 |