〜gravity OFF〜
1.プロローグ
「…??………ゎ、なんやこれ?!」
朝起きたらボクはなぜかいきなり地球の重力の枷から外れてた。そりゃあもう突然
に、唐突に。
朝の気配。
目覚めてベッドから起き上がろうとしたボクはいやに体が軽いのに気付いて『昨日は
久々に早よ寝れたもんなぁ』と伸びをした。
途端。
「わゎ?いったい何がどないなってんねん?!」
ボクの体はまるで何かに引っ張られるように浮き上がりそうになって……いやホント
にもう軽く浮き上がっていた。
「うそぉ?!」
慌ててベッドサイドの本棚につかまる。幸いなことにつかまったらそれ以上浮き上
がりはしないらしかった。
「………………なんやねんコレ」
思考がうまく回らない。
これは夢か?幻か?…だけど射し込む朝の陽射しも、握りしめてる本棚の木の質感
もリアルだし。
「どっきりか?新手の……けど、たかがどっきりでこんなん出来る訳ないわ。金掛かり
すぎや………………………したら、超魔術?どっかでモニタリングされててメンバー
が見とんのかな?……けど、そんな気配もないな……………と言うことはこれは現実
なんやろか?なんやマンガみたいや………………もっぺん寝たら治るやろか?」
パニックを自覚する頭の片隅で考える。ちらりと昨日の仕事内容が頭をかすめた…
もしかして『アレ』と関係するのか?
なすすべもなく部屋を見回すと置いてあるギターが目に入る。
「こんなんでギター弾けるんかいな…………うわエラいこっちゃ、もうすぐライブ
やのに!!!!!!!!!」
とにかく弾いてみないことには始まらない。手近なギターは寝室の対角線上。
「あそこまでどうやって行こ」
考えた末おそるおそる手を放してみる、まさか天井を突き破るなんて事ないだろう。
手を放したらもっと浮き上がるのかとビクビクするボクの予想に反してこのレベル
より浮き上がりはしなかった…現状維持、そんな感じ。
昔、海外のライブでやったフライングのワイヤーなし版って感じ?脳が逃げを打つ。
けれど、現状維持とは言ってもふわふわ漂ってるだけで前に移動する術がない。後ろ
の本棚を押したら進むか、と手を伸ばしたボクは壁の時計を見てまた焦り出した。
「なんでもうこんなに時間たってんのん!?」
いつもより早く目覚めたのに随分呆然としていたみたいだ。
「…今日、リハonlyで良かったぁ」
いや、この状況のままならすぐにまずいことになるのは目に見えてるけど。
「…………みんなになんて言お」
彼等をもこのパニックに巻き込んでしまう事を申し訳なく思うけど、このままでは
ラチがあきそうになかった。
「とりあえず誰か呼ばんと…」
この状況では移動もできない。幸いなことに今日のスケジュールはみんなリハだけ
のはず。
「………誰呼ぼ…」
思わず漏れた小さな呟きがボクと一緒に部屋の中をふわふわ漂っていた…。
***
はじめてしまいました……。現実設定、超パラレル。ご注意下さい。
『1万打感謝。とにかく、ちょっとは長いお話を書いてみよう企画』(長すぎ!)
どんな流れになるのか不安ですが、よろしければお付き合い下さい。不定期連載な形に なるかと思われます(汗)
そして。 彼が連絡するのは誰が妥当だと思われるでしょうか。やっぱり彼ですかねぇ。
拍手等で一言でも感想を頂けると嬉しいです。
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