「……ん?」

柔らかな重みと体温、潜められたやりとりに意識が浮上する。

……あぁ、寝てもうてたんや。

目を開けると一面のうねった黒、そいでから見慣れた形の耳。

「…長瀬?」

長瀬が僕に抱き付くように眠ってた。やから温かかったんやね。

「起きた?」

「爆睡してたよ」

「その格好でよく眠れるよね」

声に首だけ回すと苦笑いを浮かべた3人。いつの間に戻って来たん?
…………ていうか、撮影は大丈夫なんかいな?

僕の表情から言いたいことを読み取った松岡が焦る僕を制した。

「大丈夫だよ、今、天気待ちだから。一面抜けるような青空が欲しいんだ」

そうかぁ、なら良かったけど。

「いったい何がどないなってんの?これ」

状況が掴めなくて聞いて見る。体の上かかってるのは移動車にいつも置いてあるブラン
ケット。

「『ちょっと休憩』とか言ってタープに戻ってったのに全然戻って来ねぇから様子見に
きたらふたりして爆睡してたんだよ」

「ぇ?でも打ち合わせの途中俺が覗いた時はどっちかって言うと長瀬がリィダァを支え
てるぽかったよ?」

「多分最初はシゲの頭がおっこちないように肩貸してたとかそんなとこじゃねぇ?そい
で爆睡するうちにずるずるからだが滑ってって…そんで今に至る」

みんな僕にくっついて寝てる長瀬の様子に笑ろてる…けど目が笑い切れてへん気がすん
のはなんでやろ。

そんな事を思いながら僕は湧いて来た温かい気持ちのまんま目の前の長瀬を抱きしめた。

ありがとぉ、ずっと傍おってくれたんや。





書庫

top
1