進化形進行形
【J+K+M+N+Y=T the present time M 】
2014年11月02日、ホームグラウンドでTOKIOは二十歳になった。
******
曲の〆。4人の視線がドラムに集まる。序盤には垣間見られた硬さがライブがすすむにつれて取れてみんなどんどん笑顔になって…もちろん適度な緊張感は残したまんまだけど。
もう泣いても笑ってもオーラス、こうなりゃ楽しんだもん勝ちでしょう。
『あー楽しー!』
『終わりたくねえな』
『まだまだ行くで』
『松岡行けるか?』
『当ったり前じゃん!』
言葉じゃなく目で音で交わす会話。
いくら拭いてもきりなく滝のように流れる汗、目にも入ってしみる。体力的にはかなりキツい、だけど感じる疲れは心地いいもので、顔はゆるみっぱなし。なにより俺より6こ上がこんなに頑張ってんのにへばってるわけにいかないでしょう。
この調子この調子、リズムキープリズムキープ…呪文のように念じてたら、はじめの頃走りすぎてリィダァと兄ぃからメトロノームもらったよなぁ、そんな記憶がよみがえってきた。
『松岡松岡』呼ばれて振り向いたらいかにもプレゼント!って包みが差し出されてて面食らう。何これ?もらっていいの?差し出す茂くんの柔らかい表情を見てたらなんだか顔が熱くなってきた。目の前の人が俺の一番好きな笑顔を満面に浮かべてたから。
ぎくしゃくしないように内心念じながら受け取る…とそこにドアを開けてひょこっと山口くんが顔を出した。
「茂くん渡した?」
「ぇ、兄ぃ?」
あ、これって茂くんから俺にって訳…んな訳ねえか、クリスマスでも誕生日でもねえもんな。己の勘違いに内心赤面しながら開けてみる。
なんだこれ。あ、どっかで見たことあるな。あれはたしか……音楽室?
「メトロノームだよ」
戸惑いが顔に出てたのか兄ぃが苦笑しながら教えてくれた。
「貸してみな。こうやって使うんだって」
なにか嘘臭い気がするイントネーションで茂くんがネジを巻いたら。
カチカチ、カチカチいきなり振り子がリズムを刻みだす。
「これやるから」
「正確なリズムキープお願いしますよ、ドラマーさん」
それは裏を返せば『お前のリズムは走りすぎなんだよバカやろう』ってのもおんなじだったんだけど、その時の俺はふたりに認められた嬉しさにプラスの感情しか感じなかった。
思い返せば青かったよなあ、自分。けど、あれが俺の原点。あの頃よりちょっとはうまくなったっしょ?リィダァと兄ぃの俺のタイミングを計る視線に、そんなことも思い出しながら曲を締めた。
→
【J+K+M+N+Y=T the present time N】
ブラウザのback機能でお戻り下さい。