2014 ぐるナイ釣りバトル -太一の不機嫌-

 

ご無沙汰いたしております。

ちょっと体調を崩したりして居たら、更新が思いっきり遅くなりました。

今日は、年に一度のぐるナイ釣りバトルの日ですね。

ということで(?)ずっと携帯に眠らせたままだった去年の釣りバトル後の話を 周回遅れに  なるよりは、とUP。

なぜ、もっとタイムリーに出せないんだ私!とセルフツッコミする作品ですが、少しでも楽しんでいただければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恒例になってる夏のぐるナイ釣りロケ終了後、飛行機待ちの空港。

売店を冷やかして帰ってきたら丸山があの人の隣に陣取ってしきりに話しかけてる姿が目に入った。

「…でね」
「ああ」
「……なんですよ、リーダー」
「へぇ、そうなんや」
「それでね、その後…」
「そらすごいなぁ」

放っておいてもぐいぐい食いついてくる村上横山あたりが一番気心がしれてるけど、グループ同士での共演も結構あるしメンバーの性格もだいたい把握してるつもり、だったけど……こいつってこんなにガツガツ、アグレッシブに攻めて来る感じの奴だったっけか?内心首を傾げる。

みんなてんでばらばら好きなところに座ってるんだし、ポジショニングに別に問題はない。話に割って入るのも気が引けるし、空いてたベンチに座りスマホを確認。位置的に背中合わせのポジションだから(空いてたのがそのあたりだけだったからだ。断じて故意なんかじゃない)会話が切れ切れに耳に入った。ずっと身振り手振りも大きく熱心に話し続けてる丸山。なんだかエラい勢いじゃないすか?丸山くん。
リーダーもリーダーだ。普段人見知りなくせに、慕ってくれる後輩にはめっぽう甘いんだから。まあ、丸山は年末恒例のMステでこの2、3年自分の影武者(だよね?あれ)をしてるってだけで他の十把ひとからげな後輩とは違うだろうけど。

ほんとはマラソンの練習疲れもあるからぼーっとしてたいんだろうに、律儀に相槌を打ってやってる。
そこは『今ちょっとしんどいから』って断ってもいいんじゃないの?リーダー。それでなくても丸山とはロケ中も一緒だったじゃん。

 

 

 

仕事の都合で俺と丸山だけ途中参加ってだけですでにもうテンションが低いのに(二日目だけ参加なんてほんとは邪道だ)、おまけに俺には前年度王者とか聞こえのいい冠だけ与えられて船の選択権は残ってなかった。リーダーと丸山は大物狙いの船、俺は数狙いの船。
もっともらしい理由を並べ立ててたけど、丸山お前単にリーダーといたいだけだろ。もしくは俺の邪魔したいだけか。

岡村さんが超大物を釣り上げた時は興奮したけどゲストさんと俺だけじゃやっぱり盛り上がりに欠ける……せっかく年に一度のイベントなのに。

「リーダー居らんからつまらんのやろ」

港に帰る途中すれ違い様岡村さんに囁かれた言葉が図星で唇が歪んだ。なんすかその含み笑い、むかつくんですけど。

「画があっちとこっちとで分散しちゃって編集スタッフがたいへんなんじゃない?」

そのまま認めるのはしゃくすぎて別の言葉にすり替えた。これもほんとに思ったこと、嘘じゃないし。

「強がりもほどほどにしときや」

お疲れ、と言うように背中をぽんぽん叩いて通り過ぎる後ろ姿に思わず『これはミッションなんだよ』と聞こえないようにつぶやいた。

 

 

 

さっきまでのことを思い返してる間も聞こえてくる会話が途切れることはなく……ってなんかヒートアップしてないか?

「ま、丸山?」
「何度でも言いますけどマルで構いませんって。それより、さっきの話ほんまに考えてくださいね!」

リーダーの手を両手で包み込んで前のめりに言い募る丸山の迫力に、あの人が気圧されてちょっと退いてるのが見て取れる。

「はい、そこまで!」

その瞬間思わず背後から手刀でツッコミを入れていた。

「太一?」
「太一くん?」

背後にいたのに気づいてなかったらしいふたりが揃って目を丸くする。

「はいはい、これ以上の接触は窓口を通してください~」

これ見よがしの顰めっ面でチ、チ、チと人差し指を振る。

「へ?」

きょとんとする丸山。

「なんなん?窓口て」

いつからそんな制度ができたんや~、リーダーが吹き出して場の空気が変わった。

「どうせ、曲書いて欲しいとか今度飲みに…とかそんなんでしょ。リーダーも安請け合いしがちだけど…マラソン控えてんだから。そこわかってる?まあ、また今度な」

前半はリーダーへ、後半は後輩へと向けた言葉。

そこにひょこっと矢部さんが顔を出した。

「お取り込み中のところ失礼しますー。そこで茶番コントを繰り広げてるみなさんー、そろそろ搭乗のお時間ですよー」

案内板を見れば、たしかに案内開始に表示が変わってる。

促されるままゾロゾロと搭乗ゲート方面へ歩き出した俺の背中へどこからともなく寄ってきた岡村さんが囁いた。

「いや~、さっきの顰めっ面は演技じゃなくて本心からのもんでしたね~」
「んな訳ないじゃないすか。俳優ですから俺」
「またまた~」

お互い探り探り、ジャブの応酬。

「そういうたら、さっきなんやミッションとかいう単語が耳を掠めたんやけど」

げ、地獄耳!

「ああ、TOKIOのメンバーからクエストが出てんのやね」

すべてお見通し、と言う顔で笑う岡村さんの笑顔はまるでチェシャ猫みたいだ。

「まあ、せっかく馴染んでくれつつある大事な釣りレギュラーを失うわけにはいかんから、加勢しとくわ」

せいぜい、大事なリーダー守り通しや~、足が止まった俺にひらひら手を振ってすたすた歩いてく。

その憎らしい背中に、顔を顰め舌をだした。

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