with -ずっとそばに-









控え室に早めに入ったけどまだ誰もいなかった。せっかく久々みんなに会えると思ったのに。仕方なく爆睡してた俺は会話する声に引っ張られて目がさめた。まだぼーっとする頭、目をつぶったまま気配を探る。


「…そう言えば聞いた?夏前にデビューした奴らってメインの中山のフルネームにWith B.I.Shadowってグループ名がくっつくじゃん、あれって社長の鶴の一声だったんだって」

見た目の可愛さを裏切ってるよなぁとつくづく思う、これは太一くんの声。どんなに忙しくても情報通。

「へぇ、またあの不思議なネーミングセンス発揮したんだね社長」

感心した感じでこたえてるのは…まぼ。

「こだわりにこだわった挙げ句って名前が結構いつも突飛だったりするからね。シゲと気が合うだけのことはあるよ、こないだもさあ」
「ちょぉ待ってやぐっさん、何なんその言い方……なんかいろいろ引っかかるんやけど」
「なんで?別にけなしてなんてねえじゃん。相通ずるもんがあるって言ってるだけで」
「その言われ方なんや複雑やわ……社長と相通じるって。ええんか悪いんか」
「大丈夫、詞のセンスならアナタのぼろ勝ちだって」
「なんや素直に喜ばれへんねんけどなぁ。まあええわ、で?」

テンポいい会話を交わしてるのはぐっさんとリーダー。
あ、もうみんな揃ってるんだ。
ドラマの撮りに入ってから久々な全員集合収録。
くつろいだ賑やかな空気に頬が勝手に緩む。やっぱ落ち着くんだよなあ、ここが。

「前、Jフレん時かなんかに坂本だったか長野だったかたしか言ってなかったっけ?『グループ名を始めて聞かされたとき正直“それは無い”と思った』って」
「…ぇ?ああ、あったねぇそういや。櫻井や二宮からもおんなじような話聞いた記憶あるよ、いつだったかのプレミアムで。『バレーの応援のための期間限定ユニットだって思ってた』って」
「グループ名に対しては前に光一も似たようなこと言ってたな、そう言えば」
「だろ?
こないだ取材の合間に時間があって置いてあったアイドル誌めくってたらどうもこないだまで『OSSAN-オッサン-』って名前のユニットがあったみたいでさ、知ってた?jrに。どうせ田中たちのとこみたいにメンバーの頭文字をつないだら、とかそんな付け方なんだろうけど『インパクトあるから』、そんな理由で好き勝手付けられた方はたまったもんじゃねぇよな」
「社長に面と向かって『こんな名前嫌です』って言うのはかなりハードル高い…ってかほぼ無理だもんね、jrなら特に」
「今回デビューした子たち…中山だっけ?もたぶんそんな感じなんだろうけどね、社長だけじゃなくスタッフのOKも出たんじゃそれをひっくり返すのは至難の業だろうし」
「真ん中にフルネームで据えられるほうもしんどいし『のこりの』ってくくられる立場になんのもなんかちょっとなぁ」
「どっちにしろたしかにちょっと複雑だよねぇ」

「まあなあ、名前がすべてって訳でもないしそのグループの名前を本人たちが納得しててこれからでっかくしてこって思えるんやったら大丈夫やろけどな……………………………なあ、そない言うたらぼくらもちょこっとだけやけど『長瀬智也with TOKIO』になりかかれへんかったっけ」

ぇ、なんすかそれ!?

「へ?」
「…………」
「ぇ?あ、そう言えばそんな…またアナタも古い記憶を掘り出して」
「なにそれ、知らねえ」
「そんな話どこにあったのさ」
「ああ、みんなには結局言わんかったんやっけ」
「そんな話が出たことがあるんだよずっと昔に一度ちらっとな、たしか打ち合わせの後の雑談のときにだったか。『長瀬智也with TOKIOって格好よくない?』どう?って」

「長瀬が入ったんはメンバーの中で最後やし、もともと長瀬も込みでTOKIOって名前でそこそこ前から活動してたやん?そやのにさすがにそのネーミングはちょっと…ゆうたらそのまんまその話は立ち消えになったんよ。な?」
「たぶんそんな感じだったかな。社長もきっとちょっと閃いたって感じだったんじゃねぇ?」
「デビュー3日前に『坂本入れて長瀬とツインボーカルにしたらどう?』とか言うてはったくらいやし、ほんま水面下で試行錯誤してた時期やったからなぁ」


「ふ〜んなんか腹立つなぁ、今になって聞かされるって」
「話すら聞かされてないってどれだけガキ扱いされてたんだって感じだよね…まあ実際クソガキだった訳だけどさ」


「まあまあ、たぶんほんまにただの思いつきやったんやと思うで?すぐに引っ込めはったもん。けど考えたら不思議やね、その名前の案を飲んでたら今頃どんな風になってたんやろ」
「別に大して変わらないんじゃね?」

「そやね、メンバーは結局変わるわけやないんやし今とまったくおんなじかもしれん、けどもしかしたら長瀬ひとりで〜んと豪華な個室でぼくら4人みんなもっとバックバンド的な感じで『あ、長瀬さんおはようございます!』『ああ、今日はよろしく〜』とか挨拶してる可能性も有ったかも」


なにそれ!?


「ぇ」
「ありえねー」
「長瀬相手に?!」


「そんなの絶っ対に嫌っすっ!!」

みんなけらけら笑ってるから冗談だってわかってる…けどどうしても黙ってられなくて思わず飛び起きた。
それぞれの動作を止めてみんな目を丸くしてこっちを見てるけどこの際構ってなんかいられない。

「絶対ぜ〜ったい、嫌ですからねっ!!」

叫んだ俺の勢いに目を見開いてたリーダーがふっと表情を緩めると膝でずりずり近寄ってきて俺の頭をくしゃっと撫でた。

「おはようさん、目ぇ覚めたん?なんや、聞いとったんや。
でも結局そうはならんかったやろ?僕らは『TOKIO』や。『長瀬智也with TOKIO』とは違う。この5人でTOKIO、それは今までもこれからも変わらへん」

そこでいったん言葉を切ったリーダーはふわっと笑って続けた。

「そやろ?」

ぶんぶんぶんぶん無言でちぎれそうなほどの勢いで首を振る俺。
心の底からホッとした………けど、どうしてだろう、なんだか体の震えが止まらない。

「俺たちがその社長の言葉をそのまんまおとなしく通すはずねえだろ?」

頭を雑誌の丸めたのでぽこんと叩かれて振り返るとそこには大きな笑顔のぐっさん。

「それにもしもそれが通ってデビューしてたってお前が一番年下のペーペーなのは変わんねぇじゃん。そんなふんぞり返らせとくわけねえだろ?『長瀬、あれ持って来い!』とか『肩揉め!』とかこき使ってたって」

にやにや顔しながら俺を顎で使う仕草をするまぼ。

「それともなにか?俺たちの言ってることが信じられないって?」

立ち上がり指をバキバキ鳴らしながら近づいてくる太一く…ん……

「ギブギブ、太一くんごめんなさいっ!!!!!!!!!!!!!もう言いません!ちゃんと信じてますからっ!!!」

ぎゃあ〜!そこでタイガースープレックスホールドは反則じゃないっすか?!

俺がへろへろになるまで(というか太一くんの気が済むまで)技をかけ続けた太一くん、ほんとに体の芯までへろへろっす…。
すかさずレフリーになるまぼ、すばやく机を危なくないようどけた後で俺がタッチを求めて手を伸ばしてんのを見ながら大笑いしてる山口くん、迫真の実況を始めるリーダー。

割り振ったわけでもないのになんて息の合った役割分担……でもそうじゃなくて救いの手を差し伸べて欲しいんですけど。

太一くんの技に翻弄されながら『ああ、俺らだなぁ』と思う。ああ、やっぱりここが最高。俺ら誰一人欠けてもTOKIOじゃないや、って。
なら、TOKIOでいる幸せ噛みしめないとね。やっと解放されて自由になった俺はリーダーと話して油断してる太一くんに後ろからそっと忍び寄って逆襲をかけた。

……結果は聞かないで。その日なんだか涙目っぽく映ってたのはわかってるから。

「今度こそ返り討ちだ!」

そう意気込む俺の肩をまぼとぐっさんとリーダーがぽんぽんと叩いて通り過ぎた。

***

いったいどれだけ遅れたら気が済むの!とセルフ突っ込みしながらとりあえず『気は心』ということでUP。
来年こそは!(と毎回言ってる気がしないでもない(><))

日記でもお祝いのコメントを書きましたが
                    TOKIO 最高&最強!!
いつまでもついていきますv


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