島からの……。
なぁ、ぐっさんにこれ見せたっけ?
そんな言葉とともに差し出されたのは1冊のポケットアルバム。
「いや、しらねえ」
そう答えてソファに座ったままそれを受け取りながらオレは首を傾げた。
何の写真?結構シゲはいつでもデジカメを持ち歩いてるから……けど、PCに保存
するだけじゃなくわざわざプリントアウトしてご丁寧にアルバムにまで入れて持ってくるのって珍しくねぇ?
そんなことを思いながら表紙を開いて固まる。
「げ」
「かわええやろー?ボクのうーちゃんv」
「う…うーちゃん??」
「そ。なーかわいいやろ?」
「か…かわ、かわいい?」
シゲの意図を読みかねて目を向けるけど本人は至ってまじめな表情…と言うこ
とは本心から言ってるんだよなぁ。
そこへオレ等の会話を聞きつけてメンバーがやって来た。
「なになに?なにか飼ったの?りぃだぁ」
「『自分を飼うのに精一杯や』とか言ってたのに宗旨替え?」
「写真見せて下さいよ〜」
シゲは満足気に頷くと固まったまんまのオレの手からアルバムを抜き取り、もっ
たいをつけ溜めるだけ溜めてから三人に向かってその写真を差し出した。
「じゃじゃーん。これがボクの『うーちゃん』や、見て見て〜」
「「…………」」
「ぅわ、かわいい〜!このこ今リーダーんちにいるんですかー?」
返事を返したのは長瀬だけだった。
「かわええやろー?このフォルムなんかキュートやと思わん?」
「超かわいいーーー!やわらかそうっすね」
「柔らかいで〜今度ウチに見に来るか?長瀬」
「行くー!」
サクサク進む会話についていけない人間が約三名。
大きく息をついてやっとフリーズから脱出したオレは恐る恐る確認を入れる。
「し、シゲ?城島さん??もしもし?持って帰ってきたの?」
そういえばあの時なんかごそごそやってたけど。
「失礼な。『連れて帰って』きたんやん、な?うーちゃん」
なんなら今度連れてこよか?城島のセリフに小娘の如くぷるぷると首を横にふるのが三人、縦に一人。
「なんで?!そもそもこれはペットなの?飼えんの?こ、この…」
「能登の海からボクんトコに嫁入りしたウミウシの『うーちゃん』ゆうねん。ネットで調べたから飼い方はばっちり。まかしといて〜」
にっこり笑顔の城島。
元々ぬるぬるが苦手なオレ、オレ程でなくても得意でもない太一。食材としてだったら…となんとか涙目になりながら気力を振り絞る松岡。
「おれも前に『ぷく』と一緒にアメフラシ飼ってました〜」
「あぁ、『つれたか』。あの紫色の汁だしとったやつな〜」
『しってるか〜?アメフラシよりウミウシの方がちっちゃいねんで?食べるモンもちゃうねん』
『へぇ〜そうなんすか〜リーダー物知り〜でも、親戚くらいなんじゃないです?だって似てるもん』
そんなやりとりをのほほんと繰り広げているふたりを残りの三人は遠巻きに眺めているより他なかった。
今日の蠍座O型ペアはもしかしたら『最強王者コンビ』、かもしれない。
「あんなのがりぃだぁの嫁だなんて、絶対みとめねぇからな!オレは」
ウミウシ相手に松岡が敵愾心を燃やして城島に呆れられたのはまた別のお話。
end.
*****
最後がこれかよ!とお怒りの声が聞こえてきそうなので逃走します・・・。
これを書き上げリンク切れ等ないか確認していただいた方から智ちんはアメフラシに触るのに四苦八苦してた
はず……と突っ込みを頂いて思い出しました。
そう言えば太陽車『タコ海へ還る』編でなんの躊躇もなくタコを掴んだ茂さんに対して腰が引けてましたね(汗)
でもな〜せっかく書いたのにお蔵入りもな〜と迷っていたら「でも『ウミウシはウシの仲間だから平気っすよ!』
っていいそう、智ちんなら」と有難いコメントが。水槽越しでこっちはなんの危害も受けなきゃ「かわいい」って
いってくれるかも〜〜と言う一点に一縷の望みを掛けることにします。なんせ智ちんですから。(←最大級の賛辞)
ご指摘ありがとうございました〜Hさん、多謝。
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