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ちょっと季節的に早いんですけど…やっとこさ更新。 アイスバー 「おはようございまーす!遅刻してごめんなさーいい!!」 慌てて走り込んだ楽屋にはなんだかのんびり、な空気が流れていた。っていうか誰もいない。 「へ?」 なんで?俺遅刻したんじゃなかったっけ? もしかして1時間見間違えててまだまだ余裕でセーフだったのかな?…………なんて思いながら肩で してた息を整える。 なぁんだ〜。 手近なソファに座って寝起きそのままの髪を隠してたキャップを脱いで扇いだ、ふ〜暑っちぃ〜。 まだ春だってのに今日は夏みたい。暑い〜〜〜〜〜〜〜〜。ふぅ。 と、そこにクスクスやらゲラゲラやらひゃひゃひゃやら…こらえ切れないと言った感じの笑い声が 聞こえてきた。顔をそっちに向けると目隠しのついたての陰で笑い転げてるみんな。 ひっど〜い!せっかく間に合った〜とか思ったのに。 「お前の足音わかりやすいんだもんよ」 そう言いながら出てくるみんなはお腹を押さえてたり目じりに涙を浮かべたりしてる。 「ひどいっすよ〜。みんなして隠れてみてるなんて〜趣味悪りい…」 恨みがましい視線を向けると丸めた台本で太一くんにぽかりと叩かれた。 「お前なぁ、遅れてきたのにその言い草はなにかなぁー?長瀬くん」 「ホントだよ。これで押してなかったら『すみません、長瀬さん待ちです〜』とか言われてんだぜ?」 …ぇ?あ、ホントだ。 「ゴメンナサイ…押してるんすか?ラッキー。ゲストさん待ち?」 ゲストのスケジュール待ちっていうのは時々あるから。 「ゲストとリィダァ待ち、正確には」 「え?リーダーまだなんですか?それ超めずらしくない?」 やっぱり寝坊かな? それでぐっさんもヒマだからこっちにいるのかぁ。 『さっさと支度しちまえよ』そんな声に押されて着替えながら聞く。 「いや、お前とは違うから。しげのは不可抗力。移動車が事故渋滞に嵌まったってさ」 「けど、リィダァはもうそろそろ着くって。ゲスト待ちは今+40分、ってとこか」 「そうなんだぁ…」 五人でいられるこの空間が大好きな俺は一人分空いたスペースがなんだか落ち着かなかった。 早く来てよリーダー。 「お?」 山口くんが顔を上げた。 「来たみたいだぞ、しげ」 ぇ、うそ…何にも聞こえないよ?そう思って耳を澄ませてた俺の耳にもそれから5秒後には特徴あ る足音が聞こえた。 さらに10秒後。 「すまん!遅なった!!」 バタバタせかせか……そんなたとえ方がぴったりな感じでリーダーが走り込んできた。 「………………山口くん、ミュータント?」 「それかリィダァに発信機でも仕込んでない?もしくは使い魔とか使ってるでしょ」 目を丸くして、だけど称賛してんのかあきれてんのかわかんないコメントを口々に吐きだす太一 くんとまぼ。 でも、そのくらいあたりまえなんじゃないの?リーダーの居所をサーチするくらい。 だって、ぐっさんなんだもん。 ぜえぜえ言いながら膝に手をついてるリーダーは話が読めないみたい。それか息がまだ追っつかな くて喋れないのかな?まぼが立ってリーダーに『年寄りは労んなきゃね』なんていつもの照れ隠し を呟きながら一番近くの席を譲った。4人の時より更に賑やかさを増す空間。 『あんがとぉ』なんて言いながら座ったリーダーは突然俺を手招きするとにゅっと右手を突き出し た。 「え?」 思わず勢いで受け取ってしまう。なに?これ…。 「なによリィダァ、あんた魚河岸でも行ってたの?取材で」 まぼの突っ込みはいつ聞いてもすごい。だって、リーダーからもらったのは良くおみやげの魚とか カニとか入ってる発泡スチロールのちっちゃなクーラーボックスだったから。 ちゃうちゃう…と首を振ったリーダーはだいぶ落ち着いたみたい。いつにも増してまったりとした 笑顔。 「ながせ…開けて見ぃ?…………………………わわっ?!」 そう口を開いたところで、リーダーの頭の上にバサリ、衣裳が降ってきた。降らせたのは山口くん。 「ほら、息が落ち着いたら着替えちゃいな。押してるって言ってもわかんないんだから」 山口くんの苦笑気味の声に『あ〜ビックリしたぁ』なんて声とともに立ち上がったリーダーは『み んなの分もあるからなぁ〜』と言葉を残して奥に着替えに歩いてく。 「みんなのも、ってなんだろ?」 ちょっと振ってみる。カサカサ、軽い音。それにそんなに重くない…中身、魚やカニじゃなさそう。 「振ってないで開けてみろよ」 太一くんがそう言うし開けてみよう…テープをはがして、えーとテープの継ぎ目は………。 「だぁーっまだるっこしいやつだなぁ、ちょっと貸せよ」 あ、まぼ、よろしく〜。 「ほらよ」 テープだけはがしてまぼは箱を返してくれた。 「なんなんだろー?」 着替えてるリーダーのほかはみんなテーブルの周りに集まって俺の手許を見てる。 「開けるよ?」 そう言いながら軽いフタを開けると……………………わ〜い! 「なんだ……リーダーの『長瀬愛』の結晶かぁ」 みんななんだか脱力してるみたいだけど、どうして?俺は『絶対俺用だ!』ってわかるヤツを中か ら掴むと支度を終えたところのリーダーに飛びついた。 「ありがと〜〜〜リーダー!!!こんなのあるんだぁ〜俺知らなかった〜〜〜〜〜!!!」 「そうかぁー良かったなぁ、それやったらおっちゃんも買うて来たかいあったわ〜」 俺を受け止めてくれたリーダーはニッコ二コの笑顔。 「初めて見ました〜、ホントに練乳のチューブそのままのパッケージなんすね……この『練乳アイス バー』って!!!!」 ほんとそっくり。ちゃんと雪の結晶のマークまで入ってる。 みんな『じゃぁ俺はこれ〜』とか言って選んでる。太一くんは甘さ控えめなスポーツドリンク系の クラッシュアイス。まぼは『なんだよこれ〜』とかウケながら紫いもアイス、ぐっさんは『今日は 暑いから丁度いいや〜』って巨大な白くまを。 みんなが多分リーダーがセレクトしたアイスを選んでる。さすがはリーダー。なら…。 「じゃあこれがリーダーの分っす。ぇ?抹茶じゃなくて『緑茶』なんだ…すげー渋い」 「あんまり見んから、面白いやろ?はよたべよ、溶けるし時間なくなんで?」 それは困る!だから俺はリーダーの隣に腰を下ろしてアイスの袋を開けた。 『ほんとにあなた長瀬に甘いんだから』 『俺等のはおまけじゃない?』 『わざわざ発泡スチロールのケースに入れてくる?しかも保冷剤までつけて。信じらんねぇ』 …みんな食べながら口々にいろいろ言ってるけど目は笑ってるから。 リーダーがわざと口を尖らせ、『ほんならお前ら食うな、ワシが全部食う』っていじけて見せたら 『食ってみろよ?そんなことしたら本番前にあんたトイレにこもりっきりよ?それでなくても腹弱 いのに』ってまぼが光速で突っ込んでみんなして笑った。もちろん突っ込まれたリーダーも一緒に。 あぁやっぱりいいなあーこの空気。 その日の収録、『(押して疲れてたのに)今日はみんなすごくいい笑顔だったよ』って後でスタッフ が言ってくれた理由はこんなところにあったんじゃないかな。 練乳アイスバー? うんすごーくおいしかった。あれからコンビニとかで探してるんだけど見たことないなぁ。 …………だから、お願い。リーダーまた買って来てね? end. *** そう言えば、茂さんと智ちんのお話ってウチにないなぁ、と言うことで。 もうちょっとしてからなら季節が合ってたのに。でも、今日はちょっと汗ばむくらいなので。 『雪*印の練乳アイスバー』のパッケージを見た時『おお長瀬!』と思ったら、このお話しか考え つけませんでした。底が浅い想像力だわ(汗) 格納庫 top |