ルール無用!










次のアルバムに入れる曲を考えてる時に、移動車の中で流れてたラジオ。
関東のFM何局かと、沖縄のラジオ局が共同で作っているらしいその番組は、
選ばれたアマチュアのミュージシャンが毎週違う課題を出されて、沖縄で合宿しながら一週間で課題曲を一曲作る。
作った曲を生演奏してリスナーから選ばれた何人かの審査員が点数をつけ、
合格点がでたら翌週また違う課題が出て、最終課題で合格点ならメジャーデビュー、というオーディション番組だった。

移動車では寝て過ごす事が多いのだが、気付けばラジオに引き込まれて身を乗り出していた。
メジャーデビューを目指す、と言っても、
既に一度デビューしたこともあるアーティストもオーディションを受けたりしてるらしい。

出演者のエネルギーに、圧倒された。
ラジオから流れてくるその歌声。



焦燥感に囚われる。



自分達は恵まれているのだ、と思う。
レギュラーがいくつもあって、コンスタントにテレビに出演出来て、
新曲やアルバムが出ればラジオでかけてもらえて、
番組に呼んでもらえて、演奏も出来て、ある程度の順位はとる事が出来て。

15minutesをやっていた頃の、全力疾走していた自分に、今の自分が負けている、とは思わないけれど。



──────でも。



その頃の自分とは何かが確実に変わっている。





曲…、曲を作らなければ。とにかく、詞を書いて、曲をつけて。










「リーダーさ、なんか悩んでんの?」
「別になんもないよ。…なんで?」
「MD、聞かせてもらったけどさ、…何より、アンタらしくない。で、曲が楽しんでない。これ、楽しんで書いた?
例えば点数だけつけるんなら完成してるからそりゃ、結構行くと思うよ。
でも、楽しいと思わない、思えないで書いた曲、受け入れてもらえると思う?
それに、今度のライブでこれ演奏するとして、城島 茂自身が楽しい?アンタ、自分自身のファンとして許せる?」

太一には、ラジオ番組の事は言ってない。
だから太一の口から“点数”なんて言葉が出てきて、内心かなりびびった。
どうにか態度には出さないで済んだとは思うけれど。





+++++





「───…はい、これ。」

前回楽しそうじゃない、と太一に言われて以来考えても答えは出なくて。
それでも音楽以外にもボクらには日々色々な仕事があって、そのうち忙しさを理由に考える事も曲を作る事もしなくなってた。

そして、五人一緒の番組収録が終わった後の楽屋。
帰る準備をしていたボクに、ポン、と太一が投げてよこしたのはMDだった。
そのまま何の説明も無く太一は帰ってしまった。



───なんか借りる約束でもしとったか…?



さっぱり事情が飲み込めないまま、ヘッドホンをかけて、MDを再生する。





キーボードの音が、ボクに楽しげに挑戦状を叩きつけてきた。

───楽しめ、音を、楽しめ!

そう言われてるような、音の洪水。



───やられたわ。ああ、楽しまな、損やな。

その曲は、ライブで大暴れをする自分たちが容易に想像できる速いリズムの楽しげな曲だった。
気が付くともう足がリズムを刻んで指が動いていた。


───待っとけや太一。メッチャ熱くなれる詞が書けそうや。負けへんでー!



*****

2005/07/13


しんるさまコメント

ネタを思いついたのが四月…書いては止まりを繰り返し、
時間掛かりすぎ;
ローカルラジオネタ(しかも七月からシステム変わっちゃいましたし;)で済みませんm(_ _)m



管理人より

とても頼りになるトキ友達のしんるさまからいただきました。ありがとうございます!
このご恩はいつか必ず!
もうすぐHPを開かれるとの事なので楽しみにしています〜v





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