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ありがとうございました! 感謝の気持ちを込めて。 あの人の虚像 その時、画面の中のあの人は普段見慣れた姿より3倍 ほど格好良かった。 太陽をエネルギーに換える車が軽快に海沿いを走る画 面。快晴の空の下なんだかめちゃ めちゃ楽しそうに寄り道する年長ふたりを眺める。 漁小屋のあと立ち寄ったのは刀鍛冶工房。 「やってみられますか?」 そう向けられた水に 「鍬や鋤を作るのと刀じゃたぶん全然違うよね」 「『たぶん』なんか『全然』なんかはっきりせぇや… けどほんまやね、失敗したらしゃ れにならんわ、気合い入れな」 そんな弱気もちらつかせながら楽しげに鎚を打つふた り。 「なんでこんなに楽しそうに見えるんだろ、このふた りだと」 思わず漏れた呟きを聞いてるのは『遊んで!遊んで!』 と足下にじゃれついてくる二匹 の犬だけ。 『相槌』の語源に耳を傾けたりしながら鎚打つ横顔ふ たつ。 なんだかんだ言っても作業の体勢、腰の入れ方なんか に以前村でやった鍛冶の経験が生 きてんのが見てとれる。 その時作業するリィダァの表情に俺は目を奪われた。 いつも、いつだって常時そつなく男前な兄ぃ、と対照 的に映るようこんな場面だと殊更 空振りしてみせたりするあの人は今回余所様のテリト リーと言うことで村でなら繰り出 すボケも笑顔もひっこめまっすぐにただひたすらに、 文字通り『真剣勝負』の顔。 普段見慣れた姿より3倍ほど格好良かった。 画面を目で追いながらぼんやり考える。 あの人が普段村で見せる鈍くささのうち何割が素で何 割がフェイク、まがいものなんだ ろう。 何年、いや何十年付き合ってもあの人の奥は深くて底 は見えない。 グループで一番ってくらい格好にこだわりがあって人 一倍すかしてたあの人が長いこと かけて作り上げた『何をやってもドジなリィダァ』っ て虚像。 努力して築き上げたそれを無理やり壊そうとは思わな いけれど。 バラエティーん時とライブとでは昼と夜、太陽と月、 ジキルとハイドってくらいに真逆 にイメージを変えるあの人の『ギャップ』にハマる人 も多いってのも知ってるけど…。 たまには素のあんたの欠片でも披露してみせりゃあ、 世の中の認識ももうちょっと変わ んのになぁ…。 頭ん中次々浮かぶ『リィダァ、イメージ改造』プロジ ェクトの先行きを睨みながら俺は 画面をただ見つめ続けた。 ☆☆☆☆☆ そんなテーマを真面目に考え続けるからこそMさんだ と思うんですが。 (20070520O.A.リセッタ太陽車in岡山、刀鍛冶工房よりの妄想) |