HAPPY BIRTHDAY 2008




11月17日午前零時30分、僕は不思議なメッセージを受け取った。

「…たいち?」

携帯メッセージのその発信者欄に表示されている名は国分太一。
だけど、彼はついさっきも誕生祝いのメッセージをくれたばかりで。



『とりあえずおめでとう攻撃はひとまず落ち着いた?
リーダーのPCメールにもおんなじの送ったけどヒマになったらこのアドレス覗いて見て』

開いたメールにはそんなメッセージとともにサイトへのリンクアドレスがひとつ。


??


「いったいなんや?」

たまに奇抜なことを考え付く(自分がその標的になることはそんなにないけど)太一のメールを見ながらこのアドレスなら、とPCの電源を入れる。
立ち上がった画面からメールソフトを起動して太一からのメールを探しそのアドレスをクリックした。

「まさかいきなりウイルス感染するとかいわんやろな」

ここには居らん太一に失礼なセリフを呟いているうちに閲覧ソフトの窓が開き、そこには。

「え、you t○be?」

最近はすっかり定着した感のある画面が現れたのかと思ったら

「なんやねん、shigetube て」

そっくりなロゴとともにページが表示される。

タイトルは…HAPPY BIRTHDAY。

とりあえず再生のボタンを押す。


と、いきなりリズミックギターサウンドのイントロが流れ出しあっけにとられている間に曲が始まった。

「これは……………………………ええと、山下くんに…手越くんに?てことはNEWS??」

どうやら『HAPPY BIRTHDAY』って曲のPVのようで。

歌い踊る後輩たちの曲はイントロの





『生まれたこと、

出逢えたこと、

今そばにいれることありがと 

キミのHAPPY BIRTHDAY、一年に一度の魔法、特別な日』






という部分がとても印象的で。

「あ、前にこの曲どっかで聞いたわ」

一時停止にして目を閉じ記憶をたどる。

「Mステか。CXでの待ち時間にみんな揃った楽屋で聞いて。そういうたら『あの ありがとう って部分でそろってお辞儀すんのかわいいやん』て話してたんや」

もう一度頭に戻して再生。

「そう言うてたからわざわざ送ってくれたんか。ありがとう太一」

後輩たちの曲が終わる。
それを見届けて太一へメールしようと携帯を取り出した僕は、再度聞こえてきたイントロにリピート設定になってるのかと顔をあげ、そして硬直した。

さっきとおんなじイントロが流れてきたのだけれどつづきのサビを歌い出したのは。

「長瀬?」

画面中央で歌うのは見紛うことのないうちのボーカル。

次々リレーする感じで歌いついでいくのは山口、太一、そして松岡。

全員がちょっと気取った感じで澄まし顔で楽器も持たずにリズムに合わせて踊ってる。
V6のようにがっつり、ではないけどちゃんとこのために練習したんだろうな、そう思う揃い方で。

「…」

あわてて曲頭まで戻して僕はまばたきすら忘れてPCのディスプレイを見つめ続けた。




「やられた…」


やっとそう呟けたのは曲が終わるころ。さっきのサビで4人のとびきりの笑顔とウインクの後。
そう呟きながら握りしめっぱなしだった携帯を今度こそ、と思ったところにまたメール。これも太一から。

ほんまに今日はとことん驚かされっぱなしや。

今度は一言もなくただアドレスだけ…もうここまできたら飛んでみようやない。




新しいウインドウで立ち上がったそれから流れてきたのは………これは一昨年松岡が太一の誕生日にプレゼントした曲。



HAPPY BIRTHDAY すばらしい この時を……



そう曲が始まると共にディスプレイに映し出されたのは数々の写真。

スライドショーになっているらしく次々切り替わるディスプレイの中には笑ってる、ふざけてる、そして真剣な顔の僕らがいた。中にはつかみ合いの喧嘩寸前のものまで。


曲をバックにひとりひとりから改めて伝えられるメッセージ。

満面の笑み、照れくさそうな、ぶっきらぼうな、安心する笑顔に胸が暖かくなる。

『リーダー、久々踊ったから超きついっす。』

そう顔をしかめる長瀬に松岡と太一から『おいっ!』『何言ってんだよ、もう三十路とはいえうちで一番若いのに!』そうつっこみが入って。

『この映像も俺 編集ですからね〜!』

そう告げる長瀬に山口が『ちゃんと みんなセレクト だって言えよ』とさわやかな笑顔で圧力をかけ。

『こないだプレミアムに来てくれたシゲさんからわざわざ教わったんだからね、しかもプレミアムのスタッフに無理言ってスタジオ借りて』

ありがたく思え、そう言いたげな太一はどこか えっへん と胸を張って。


『太一くん、なんだかこないだ加藤くんがプレミアムゲストに来たってあたりからやたら『シゲシゲ、シゲシゲ』言うよね』
『うんうんそうだよな、なんかひっかかるよな』

なんて松岡と山口の会話が続いた後。



『これが俺らからのほんとのプレゼント。どう?気に入ってくれた?』

そう締める山口。

「ありがとぉ」

思わず画面の内側に居る彼らに対して呟いた。







『で、たぶん今感激してくれてるだろうシゲさんにここでお知らせです。25:30に4人揃ってシゲのうちを襲撃するからヨロシク』


「へ?」


その言葉を最後に動きを終えた画面の前でフリーズしてた僕は眼の端に入った時計を見てあわてて立ち上がる。

「えらいこっちゃ、もう20分しかあらへんやん」





僕の38歳は…いや38歳も、仲間に囲まれてにぎやかなものになりそうだった。


***

後輩さんの歌の歌詞ではありませんが『何千、何億の中できみと会えたこと奇跡だね 今そばにいる幸せ 君のために歌うよ』

ということで。

HAPPY BIRTHDAY 茂さん!!

いろんな顔を持つあなたのギャップにやられっぱなしです。
これからももっといろんな表情を見せて下さい。

この1年が素晴らしいものでありますように。



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